第35話

ガシッ!


すれ違いざまに、カルマはななみの腕を掴む。


「なッ!?」


「ちょ、カルマさん!?」


ななみはカルマの行動に驚く。

ナツキも目を丸くして、カルマを見る。


「すみません、1つ、質問をさせていただいてもいいですか?」


「な、なんですか?」


「先程から、ケントを探しているのですが、姿を見ませんでしたか?」


ななみの目を見つめながら聞く。


「なっ…なんで私に聞くんですか!?」


ドギマギしながら答える。


「カルマさん、聞く人を間違えてますよ。

ななみはケントさんに会ったことなんてないです。

ケントさんに何かあったんですか?」


カルマはななみの反応を見て、確信する。

答えがわかり、カルマはフッと笑みを溢す。


「ケントと姫がアフターに行ったらしいのですが、途中、ケントが姿を消したらしいので、姫がバリアスに戻って来たんです。

全く、何処で何をしているのやら…他の女とイチャついているのかな…。」


カルマはななみを一瞥する。


「ー!!?」


カルマさんにバレてる!?

まさか…そんなわけない。

だって、あの現場は見られていないはず。


ななみはヒヤッと寒気を感じる。


「へー、ケントさんにもそんな一面があるんですねー。」


「知らないのなら、良いんです。引き止めてすみませんでした。

では、ななみさん、ナツキ君、また。」


そう言って、カルマはケントを探しに行った。


カルマが去った後、ナツキはジッとななみを見る。


なにか言いたげな雰囲気だ。


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