第22話

エレベーター前ー


エレベーターが来るのを待っている間、2人でキャキャと須藤の担当のことについて盛り上がっている


チンっ


音を立てた


エレベーターが来た合図だ。


そして、エレベーターの扉が開く。



「ーー…。」


ななみは言葉を失う。



あー、もう、嫌。


なんで、会うの⁉︎



「っ⁉︎」


プラチナブロンドの髪が揺れる。


モデルのような仕草で、前髪をかき上げた。


いちいち仕草がさまになる。


ケントはななみと須藤の2人を一瞥する。


そして、ななみをチラッと見る。

ケントに探られているような気がした。



「えっ‼︎まさか、バリアスのケント…きゃー!?」


須藤は黄色い声を上げる。


「やだ、超カッコいい!

モデルみたい!ね、設楽さん‼︎」


エレベーターの前で、須藤ははしゃぎながら、ななみの肩を叩く。


先程の、バリアスのケント批判はなんだったんだろうか…


ななみは須藤をチラ見した。


「あっ、そっ、だね…

ねぇ、須藤さん、行こう。」


ななみは須藤の腕を引っ張る。


「そうね、騒いじゃって、すいません!」


「お気になさらないでください。」


爽やかにケントは笑う。


「あー、笑顔も素敵ぃ!」


「俺は行きますから、どうぞ、エレベーターに乗ってください。」


ケントはさっとエレベーターから降りる。


「ありがとうございます♪」


須藤は猫撫で声でいう。


ななみはケントと顔を合わせないように、無言でエレベーターに乗る。


「…じゃあ、また。」


そう言って、ケントは笑顔で言った。


「はい!」


須藤は元気よく手を振る。


エレベーターの扉が閉まり、移動する。



ケントはエレベーターがどの階に行くのか、暫く見ていた…

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