第16話
「けっ…」
声を発すると同時に、グイッと健太に引き寄せられ、顔がお互いに向かいあってしまった。
「ななみちゃんの謝罪はまだ、受け入れたわけじゃないよ?
昨日の発言には傷付いたし、No.1としてのプライドが許さないんだよね。」
「うっ…どうしたら、許してくれるの?」
「俺と恋しよ?」
「なにいって…」
健太はななみの顎に触れると…
距離を縮めてくる。
健太の顔がなぜか近づいてくる。
えっ?
なんで、健太の顔が…
「…た…んっ…!」
唇にそっと何かが触れる。
ななみは目を開けたまま、健太を見る。
健太にキスされてる⁉︎
なっ…!
ゆっくりと健太は離れる。
その様子をななみは呆然と見ていた。
「ななみちゃんが俺に惚れてくれたら、許してあげる。
ただし、ここはホストクラブだから、本気になったらいけないよ?
だって、疑似恋愛をする場所だからね。」
健太は悪びれる様子もなく、ホストクラブの裏側をスラスラと言う。
「はぁあ⁉︎」
「あと、ここではケントって呼んでね、ななみちゃん♪」
「…帰る!!」
フンッとななみは健太から視線を逸らし、健太に背を向ける。
「ななみちゃんの寂しさを埋めてあげるから、いつでもおいで。
俺はいつもここに居るからね。」
「2度と来ないわよ!」
ズカズカと地響きが鳴りそうな音で歩く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます