第66話

数時間後、ショッピング袋を抱えて2人はベンツの前に戻って来た。


「いっぱい買っちゃった!」


ニコニコとほっこりした顔でえりは言う


「自分のご褒美にいいんじゃない?」


「さ、これを持って帰らないと。」


「そうだね。」


2人は車に乗り込む。


乗り込んだあと、えりは包装された箱を光に渡す。


「これは…?」


光は首をかしげる


「今日のお礼!

よかったら受け取って。」


「…ありがとう。

開けていい?」


「うん、気に入るかわからないけど…」


「あ…ティファニーのブレスレット。」


銀色のシンプルなチェーンブレスレットだった。


「光に似合うと思ってコレにしてみました。」


「めちゃくちゃ嬉しい、ありがとう。」


光は早速、えりからもらったブレスレットをつけた


「大切にするね。」


「うん!」


「はー…。」


光るは突然ため息をつく。


「どうしたの?」


「あのさ…水を指すようだけど、輪堂さんから言われたんだ…」


光は気まずそうに、えりに2つの物を見せる


1つは札束。


「これは、今月の契約金だって…

真広さんの代わりに渡しておけって言われた…」


「うん…」


でも…もう1つは…


えりは無言でもう1つの物を見た。


ピルだった。


「…ピルを毎月、えりさんに飲ませろって、輪堂さんから言われたんだ。」


「…なんで?」


「…ごめん、俺の口からはあまり言えない…。」


光はえりと目を合わせずに言った。


輪堂から損な役を回されたと恨みがましく思った

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