第67話

えりはピルをしばらく黙ってみていた。


そして、笑顔を作る。


「………光、ありがとう。

言いづらかったよね…輪堂さんに、ちゃんと飲むって伝えといて。」


「…ありがとう。」


輪堂がどういう意図で渡してきたか分からない…


えりはピルをバックに仕舞い込んだ。


「帰ろうか!」


「えりさんの自宅でいいかな?」


「うん、いいよ。」


そして、デパートを後にした。


マンションの前に着くと、えりは車を降りようとした


「待って!」


光はえりを呼び止めた瞬間


えりの唇にキスをした


「んっ…」


えりはただ、受け入れた。


しばらく長いキスをした後、光はそっと離れた


「光、またね…。」


えりは切なそうに笑った。


「うん、また、連絡して。」


光はベンツで走り去って行った。



空を見上げたら、綺麗な星空だった…


「空は綺麗…」


なのに、私の心は綺麗に晴れない


バックをギュッと握りしめた。

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