第52話

「………。」


離れたくないのか、真広は手を繋いだままで、2人は無言で観覧車を降りた


スタッフの人はニヤニヤしながら2人を見ていた


お互いの顔はまだ火照っていた


余韻が収まらない



こんなに激しくセックスをしたのは何時ぶりだったか…


えりはまだ、自分の体温が高いことに恥ずかしくなり、俯向いた


「えり…

今日はありがとう。

楽しかったよ」


真広の言葉にえりは顔をあげた


「真広さん…

こちらこそ、色々、アトラクションに付き合ってもらってありがとうございます。」


「うん。

少し電話をしてくる…ここで待ってて」


「分かりました。」


真広の指示通り、えりは待つことにした


10分ー


一向に真広は戻ってこない…


でも、この時間も大切な時間


「あれー…おねえさん、1人?」


「え?」


えりの前に可愛らしいハーフの男が立っていた


「連れは居ますけど…」


びっくりしながらも、質問に答える


「そーなんだ…おねえさんに連れが居なかったらナンパしようと思ったのにー」


「はい?」


「あ、俺、渚桜碧斗。

覚えておいてね!」


「…はい。」


「ねーねー、おねえさん、何処かでヤッてきたの?」


渚桜はえりの耳元で言う


「はあ!!?」


「だって、おねえさん、発情した顔してんだもん。」


えりは顔を真赤に染めた


「あははー、図星だー!」


からかうように渚桜は言う


「まあ、いいやー。

今日は、俺の存在を知ってほしかっただけだし。

じゃあ、またね、相内えり!」


「え…私の名前…」


嵐のように渚桜碧斗は去っていった


えりは呆然とする

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る