第41話

彼らの仕事にあまり踏み込まないようにしないと…


えりは安全な境界線を越えないように手探りでやっていくしかなかった


置かれた荷物をボチボチ片付けていると、ピンポンとインターホンが鳴る…


「真広さん…!?」


期待に胸を馳せ、えりは駆け足で玄関に向かった


ガチャッと勢いよくドアを開ける


「真広さっ…

あっ……光?」


そこには、思いも寄らない人、光が立っていた


「どうしたの…?」


えりは不思議がって光の顔を見る


「…あのさ、これ、俺の番号…」


光は番号が書かれた紙を手に持っていた


「これは…」


えりは困惑する


「受け取って…」


「あ…うん!」


えりは番号が書かれた紙を受け取った


「もし、困ったことがあったり、移動手段がないなら、何時でも呼んで…

俺、えりの所に行くから…」


光は何故か俯き加減で言う。


「…ありがとうございます…。」


「あとさ…なんか悩みがあったら、俺、相談に乗るから、何時でも電話して。」


「あ…はい…」


えりは光の顔を見た。


光の頬は少し赤くなっている


「光…熱がある……?」


「え?」


光は驚きの表情をする


「なんか…頬が赤い…?」


「は!!?

気のせいだよ!」


「そう…?

光は優しいんですね!何かあったら連絡することにします!」


えりは笑顔で言うと、光はホッとした表情をした


「じゃあ…。」


「うん…」


光の後ろ姿を見ながら、えりは、黒天もああいう人がいるのだと少しホッとしていた。

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