第34話

2人はお洒落なカフェに来た


店員に案内され、テラス席へと座る


男の若い店員は頬赤く染め、照れながら2人をジロジロ見る


そんな店員に動じず、注文をした。



「えりちゃん、随分可愛くなったね!

こんなに変わるなるて思いもしなかった!」


「千佳さんと中ちゃんの腕のおかげです。」


「ハハッ、謙遜しすぎ!

やっぱり、結城の目に狂いはなかったのね。

えりちゃん、色々と酷いこと言ってゴメンね」


「気にしないでください。

言われ慣れたというか…」


咄嗟に輪堂の顔が思い浮かぶ


「そう?

そうだ、自己紹介がまだだったわね!

私は波瑠十千佳!リリーフで働いてるわ」


「リリーフ?」


「リリーフって言うキャバクラよ。

いちを、そこのNo.1よ。

あと、あそこのアパレルショップと美容室は私のお店なの。」


「そうだったんですか!」


やり手な千佳に、えりは尊敬の念を抱く


就職活動がうまくいかなかった私とは大違い…


真広さんの彼女ともなれば、只者じゃないのもうなづける


「えりちゃんは結城とはどこで知り合ったの?」


「歌舞伎町のとある風俗店です」


「へー…また、変なところで出会ったわね。」


苦笑いで千佳は笑う


「お待たせしました…」


2人の話の邪魔をしないように、店員がそっと飲み物を置いた


徐ろに、えりは飲み物を飲む。


「私、1ヶ月前に仕事をクビになって、彼氏に振られたんです。

就職活動もうまくいかなくて、貯金も底をついて…歩いていたら、歌舞伎町にたどり着いたんです。」


「うんうん。」


千佳は頷く


「黒服のキャッチの人にいい仕事があるからって声をかけられて、着いていったら、激安風俗店だったみたいで…

そこを、たまたま通りかかった真広さんに声をかけて貰ったんです。」


「それで、愛人契約を持ち掛けられたの?」


「はい。

まさか、そんな話をされるとは思いませんでした。」


「普通はしないわよね〜。

私も、話を聞いてビックリしちゃった!」


「ハハッ…」


目の前に真広さんの彼女がいるので、こういう話はしずらい

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