第28話

「えりだけイくなんて酷くない?」


「真広さんが止めないから…」


荒い呼吸でえりは言った。


「じゃあ、挿れていい?」


「って聞かなくてもいいですよ…」


「そう…じゃあ…」


真広がえりに覆いかぶさろうとしたときー



ピリリ!!


真広のスマホが鳴る



真広は無視しようとした


「あの…出たほうがいいですよ?」


「…はあー…えりは律儀だね。」


「当たり前の事を言っているだけですよ。」


「いいとこだったのに…」


イジケたように真広は言うと、スマホも手に持ち、電話に出た


「…あっ、もう着いた?

ごめん千佳、今から行く。」


真広はそう言うと、電話を切った


「彼女さんですか?」


「そ、千佳から。」


「そうなんですか…」


えりは少し悲しそうな表情を見せる


「…えり…妬いてる?」


「は!?

まさか!私は真広さんの愛人ですよ!?」


「…そう、残念。」


全然、残念がっているようには見えない


「はあ、お楽しみはお預けだね。

えり、今から出かけるから。」


真広は立ち上がると、えりの方を見た


「はい…分かりました。」


何処に行くんだろう…?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る