第22話

エレベーターの扉が開く


どうやら、最上階に来たみたいだ


輪堂はエレベーターを降りた


目の前にはドアがあった


どうやら、階にはここしか部屋がないようだ


「エレベーターを降りたら直接部屋になってる。今日は鍵で開けるけど、普段は指紋認証で開けれるから。」


「凄い便利ですね!」


「当たり前だろ。

真広さんと千佳さんが住むはずだった部屋なんだからな、それが何でこんな女に…」


「なんか、すみません…」


「真広さんが決めたことだから、しょうがない。

ただ、俺は納得いっていないだけだ。」


輪堂のトゲのある言葉にえりは気まずそうにする


「ただ、あんた、真広さんの愛人なのに、偉ぶらないんだな。

他の女だったら、偉そうにしそうだけど」


「何で偉ぶるんですか?」


「黒天のトップの愛人だ。

立場を利用して、何でもできるだろ?」


「…私は、日々を生き抜くことにいっぱいいっぱいです。

だから、黒天なんかに興味ないし、ただお金さえ貰えたら良いんです。」


「それ以上に興味ないの?」


「興味ありません。

それに、就職活動がうまくいけば、あなた達ともさよならです!」


「ハハッ!

あんた、やっぱり変わってんな!

頭がゆるいというか…欲が無いな」


「早く生活を立て直して、就職してみせます。」


「ふーん…真広さんがあんたを離すかなぁ〜…」


「え?」


「こっちの話。

まっ、せいぜい頑張んな」


輪堂はえりの耳元で囁いた



輪堂の言葉に少し恐怖を覚える。


「さっ、中に入ろう。」


輪堂は鍵でドアを開ける

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