第21話

「そういえば、あんた、彼氏いるの?」


ふと、輪堂に問いかけられる


「1ヶ月前に振られて、今はフリーです。」


「ふーん、なら、良かった。」


「どうかしましたか?」


「もし、あんたに彼氏がいたら、別れさせないといけないなって思ってな。」


「何故ですか?」


「真広さんは独占欲が強いからね。

愛人に彼氏がいたんじゃ、その彼氏はどんな目に合うか…」


「え…でも、彼氏がいようが、関係ないんじゃ。」


「あんた、真広さんの女になったんだから、気をつけたほうがいいよ。

男とはもう、関わらない方がいい。

真広さんがキレたら、何をするか分からないから。」


「彼氏も作れないんですか⁈」


「まあ、どんな目にあってもいいなら、彼氏を作ってもいいんじゃない?

ただ、忠告はしたからな!」


まさかの男と関わるなと言われるとは思いもしなかった


彼氏が作れない!?


そんな!


真広さんは、綺麗な顔をしているとは思うけど、私のタイプじゃないし、恋人なんてもんじゃない

あくまで、愛人契約の名の下、金で結ばれた縁だ


金が払わなければ契約は終了



それに、私は恋人同士の触れ合いが欲しい


彼氏に振られて寂しい思いもしている


恋人と甘いうっとりするデートがしたい



「輪堂さん…それはお約束できるか分かりません。」


「…まっ、普通にそうだよなぁ。

あんた若いし、恋愛したいよな。」


「真広さんとは契約で結ばれた縁ですし、真広さんに彼女が居るのに、私には作るなというのは納得できません。」


「あんた、結構言うね。

おもしれー…今後が楽しみだな。」


輪堂は面白がっている様子だ。

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