第18話

車内は重苦しい雰囲気が漂っていた


私、どこに連れて行かれるんだろう…


えりは諦め半分で下を向いていた



「あんたさ…もう、真広さんに抱かれたの?」


窓の外を見ながら輪堂は言う


「えっと…⁇」


えりは赤面した


チラッとえりの顔を見る


「あー、その様子だと、もう、抱かれたんだ。

珍しい事もあるんだな。」


「珍しいって、真広さんは他に愛人は居ないんですか?」


「千佳さんって言う彼女はいるけど、真広さんは愛人なんて作る人じゃないと思ってたからな…

なにせ、真広さんは真っ直ぐなお人だ…」


「はぁ…」


「しかも、あの部屋まで渡すなんて、一体、どういう風の吹き回しか」


「あの、真広さんと貴方はどういう関係なんですか?」


「ん?真広さんから何も聞いてないのか?」


「はい。」


「真広さんは俺のボスだな。」


「ボス?

真広さんは社長さんなんですか?」


「社長でもあるしな…」


「なんだ、会社の社長なんですね!」


普通の会社の社長みたいで安心した!


私の勘違いだったみたい。



えりはホッとした

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