第16話

「…名前は?」


輪堂がえりに向かっていった。


「相内えりです。」


「ふーん…何歳?」


「23歳です。」


「仕事は何にしてるの?キャバクラ?」


「…いえ、恥ずかしながら、定職には就いていません。」


「はーん…無職かよ。」


「なんで真広さんと居たの?」


「え…と…その…愛人契約を…」


えりはボソッと小さな声で言う。


「え!!?愛人契約!?」


「声が大きいので、小さな声で言ってください!」


「すまねー…たださあー…」


輪堂はえりを上から下まで一通り見た


そして、半笑いで言う


「真広さんがあんたと?」


「はい。」


「はあ…リリーフで働く女達のほうが数百倍イイ女なのにな。」


輪堂はため息をつく


「真広さん、何を考えているんだ?」


「あの…」


「あー、悪い。

あんたを馬鹿にしてるわけじゃないんだ。

ただ、あんたの顔、真広さんの好みじゃないし、何で愛人契約なんか交わしたのか不思議に思ってな。」


「同情じゃないですか?」


「同情ねー…」


あまり納得していない様子だ

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