第16話

「わざわざ送って頂いてありがとうございました・・・じゃあもし本当に困ったことがあったら、ぜひ相談に乗って下さいね」



「・・・・・・わかった。今日は早めに寝ろよ、おやすみ」



「おやすみなさい」



まだ電車もあったけれど、車で送ってくれた葛城部長。


入社してすぐは覚えることが多くて本当に大変で、仕事を辞めたくなるときも何度かあった。けれど、その度に葛城部長が優しく支えてくれた。泣いてしまった私を、今日のように車で送ってくれたこともあったなぁ。



走り去っていった葛城部長の車を、なんとなく懐かしい気持ちで見つめていた。




「ーーー今、帰り?」

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