第9話
何かを期待するように弾んだトーンで話す香菜子。には申し訳ないけれど。
「それはナイ。恭司は私のことなんて、ほとんど知らなかったと思うし。それにそのとき恭司には他に彼女がいたから」
「えっ!そうなの?じゃあ再会して美和のことを知って好きになったの?」
「うーーーん、たぶん・・・」
当時彼が付き合っていたのは、彼と同じ学年で読者モデルもしていた大学一の美女だった。
彼女はサークルには入っていなかったけれど、ときどき同好会の教室にも彼を迎えに来たりもしていて、すごく仲が良さそうだった。大学一の美男美女というカップルで有名だった。
いつ別れたのかは、聞いていないけど。
私は彼に想いを告げることなく、彼は卒業していった。再会までの5年間、他に付き合った人もいるけれど、心のどこかでは彼を忘れられていなかったのだと、再会したときに気付いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます