Vol.2/デッド・ソウルズ(6)

 チンピラたちを、次々と沈めていった。


「よ、よるなっ!」


 最後に残った短髪のチンピラが叫んだ。ナイフはすでに叩き落としていた。


「何故、オレを殺そうとするんだ?」


 短髪の眼を見据えながら、尋ねた。


「知らねぇ!」


 短髪がわめいた。


「とぼけんな!」


 言下に、片手で短髪の首をわしづかんだ。頸動脈を押さえた指に、軽く力をいれる。


 それだけで、短髪は苦しげに身悶えし始めた。


 逃れようとオレの胸や腕を乱打してくるが、こっちは痛くもなければ痒くもないの常套句だ。


「いわないと、死ぬぞ」


 更に少し、力をいれた。


 意味不明な呻きをあげ、短髪はのたうちだした。


 ついで、ゆるめる。


 懸命に、短髪は空気中の酸素を吸いこんだ。


 再度、オレは指に力をいれようとした。


「い、いう!」


 さっきのがよほど苦しかったのだろう、短髪は慌てていった。


「いわれただけだ! 殺せって!」

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