第81話

一体どんな手を使って、このノートに書き込んでいるのか。



どうして日記通りに物事が進むのか。



そして、ノートの持ち主と夕夏たちとの関係……。




「……夕夏。ヨイシの呪いって何?」




ギュッとこぶしをつくって聞くと、夕夏は私から視線をはずした。




「あんたに関係ない!それと、もう二度と話しかけないで」




夕夏は強い口調でそう言うと、走って教室へ行ってしまった。



話しかけないで……と言われても、放っておくことはできない。




「……あ、桜葉君!」




ぼんやりと突っ立っていたら、私の脇を桜葉君が通り過ぎた。



私の呼びかけに彼が振り向くことはなかった。




……やっぱり、止めることは無理なのかな……?




知っているのに何もできない。



直接手を下したわけではないけれど、見殺しにしている時点で、私も同罪な気がしてならない。

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