第80話

上靴にはきかえていると、隣に夕夏が立った。



私のほうを見ずに、上靴にはきかえている。




「夕夏、おはよう」



「……」




声をかけてみたけれど、夕夏からの返事はなかった。



パタンと扉を閉めて、先に教室へ向かおうと足を一歩踏み出す。




「ねえ、楽しいの?」




夕夏がふいにそう言った。



楽しい……?



それって私に問いかけてるの?



私が振り返ると、夕夏は私をにらんでいた。




「篤子も沙希も、あんたに嫌がらせをしたから死んだ。どんな手を使ったのかわからないけど、あんたが関係してるんでしょ?」



「知らないよ!沙希が落ちた時、私は教室にいたし!夕夏だって知ってるでしょ?」



「だから、どんな手を使ったのかわからないけどって言ったじゃない」




どんな手を使ったかなんて、私だって知りたいよ!

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