第79話

「はあ……」




朝がくるたびに気が重い。



今日の運命がどうなるかってわかっているはずなのに、何もできない。



しかも今日は、典子に死の宣告がされているだけ。



典子を守るには、彼女にずっと付き添っていなければならない。




私がそばにいることを典子は嫌がるはずだし……。





重い足取りで学校につくと、ちょうど典子が靴をはきかえていた。




「典子、おはよう……」



「何よ?話しかけないでくれる?!」




典子はキッと私をにらむと、バタンと扉を閉めて行ってしまった。



予想していた反応に私は小さくため息をつく。




これでは、典子を守るなんてできない……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る