第70話

河北さんが彼のほうを振り返る。




「……滝沢君は、呪いって信じる?」



「えっ?!な、なんだよ、いきなり……」




彼女に問いかけられて、滝沢君は動揺する。



この質問ってそんなに動揺すること?




「ヨイシの呪い……。さっき誰かが言ったけど、一体何のことかしら?」



「えっ?そ、そんなこと誰か言ったかな……?」




滝沢君は何かを隠しているかのような返事をする。




「じゃ、じゃあ、また明日!」




そして逃げるように教室を出て行ってしまった。




「今の、絶対おかしいよね?」



「……そうね」




明らかに怪しい態度の滝沢君。



私はため息をつきながら、黒いノートを取り出す。

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