第69話

『校内に残っている生徒は、すみやかに下校をしてください』




校内放送が流れ、掃除を終えた生徒が次々と校舎を出ていく。



このクラスでも、足早に教室を出ていく人が多かった。



それでも、河北さんはずっと外を見つめている。



警察のブルーシートが現場に張られ、周りから見えないようにされた。




「河北さん?帰らないの……?」



「……村上さん、呪いって信じる?」




私の問いかけに答えず、新たな問いかけがきた。



呪いって信じる?って、信じたくないけれど、今まさに私に起きていることは、明らかに怪奇現象でしょ?!



この黒いノートのせいで……!




「二人とも、どうかした?まだ帰らないのかい?」




ほとんど人がいなくなった教室で、滝沢君が不思議そうに聞いてきた。

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