第66話

「うわっ……」



「いやあああああっ!」




窓の外を見た人たちが窓から離れる。



私と河北さんも窓に近づき、外を見た。




もしかして……?




どうか私の予想は当たりませんように……。



強く強く心の中で願いながら、私は覗き込んだ。




この3階の教室から見えたのは、変わり果てた沙希の姿だった。



足や腕は変な方向に曲がり、頭も原型をとどめていないようだった。




「……っ」




とっさに口をおさえる私。



喉の奥から逆流してくるものを必死でおさえる。




沙希は掃除をしていて窓から転落するんじゃなかったの……?




問いかけてもその答えは返ってこない。

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