第65話

「ちょっと!しゃべってないで掃除してよ!帰るの遅くなっちゃうじゃない!」




典子が私に向かって雑巾を投げつけてきた。



濡れた雑巾は私には当たらなかった。



私への八つ当たりだろう。



典子はかなりイライラしているようだった。




これ以上、イライラさせないよう、私もほうきを手にして掃除を始めた。




その次の瞬間だった。






「ぎゃあああああああああああああああっ!」




この世のものとは思えない奇声。



その後、ドスンという衝撃音が聞こえてきた。




「キャアアアアアアっ!」




窓の外から悲鳴が聞こえてきて、教室内にいたクラスメイトはいっせいに窓に駆け寄った。

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