第64話

だけど、沙希は教室を飛び出したまま、どこにいるのかわからない。



掃除に参加しなければ、落ちないで済むのかな?




ホームルームが終わると、掃除の準備を始める。



だけど、沙希が戻ってくる気配はない。




「村上さん、顔色よくないけど?」




ほうきを手にした河北さんが、声をかけてきた。




「河北さん、沙希を探さないと……」



「気持ちはわかる。でも、今ここであなたが教室からいなくなって、沙希が日記通りに転落したら、今度こそあなたが疑われるわよ?」



「で、でも……!」




たった2回しか書かれていない日記。



1日目の日記の内容だけで、このノートの力が本物だということは痛いくらいわかった。



でも、どうしてこんなに恨み言を書くの……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る