第57話
「……村上さんは4時間目からずっと私と一緒に図書室にいたよ」
その時、淡々と言ったのは河北さんだった。
登校してきたばかりみたいで、教室の後ろのドアから入ってきた。
そして、私のそばに立つ。
「な、何よ……!そんなの証拠になるわけないじゃないっ!」
「あら、じゃあ、村上さんが篤子を突き落したっていう証拠は?」
「それは……」
河北さんの切り返しに沙希が口ごもる。
だけど、みんなの前で犯人扱いしている以上、沙希も黙ってはいない。
「でも、犯人じゃないっていう証拠だってないでしょ?!」
「……私だけじゃないわよ?篤子の悲鳴が聞こえる前に、彼女が本を返しに図書室にきたもの。彼女も証人よ?」
河北さんはそう言って、夕夏を指さした。
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