第55話

……私の首をしめたあの子がノートの持ち主なの?



ねえ、あの子は一体誰?



ノートが欲しいのなら、持って行ってよ……。









教室に入ると、篤子の机には花が添えられていた。



夕夏のグループがその周りですすり泣きしている。



グループに属していない子や男子は、遠巻きにその様子を見ていた。




「事故なんかじゃない。篤子は誰かに突き飛ばされたのよっ!」




そんな時、突然叫んだ沙希。



その声でシーンと静まり返るクラスメイト。



無駄に声を出して、彼女の怒りをぶつけられたくなかったのだろう。



目をあわせないように、みんなうつむいている。




「篤子があんなところに行くはずないじゃない!誰かに呼び出されたって言ってたんだから!」



「誰よ?篤子をあそこに呼び出したのは?!」




沙希に続いて、同じグループの典子も続いた。

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