第54話

気味の悪いノートでも、所詮はノート。



火には勝てないでしょうよ。



メラメラと赤い炎を出しながら燃えていたノートだったが、やがて火の勢いが衰え、消えていった。



ノートの形は残っているが、勢いよく燃えていたし、さすがに中まで燃えただろう。




「……えっ?」




落ちていたほうきで、灰をはらうと、何ごともなかったかのように黒いノートは姿を見せる。



ほうきを放り出して、私はノートを手にして中を確認した。




全く燃えていない……。





「どうして……?!」




このノートには火すら通じないということなの……?!

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