第52話

少女の長い髪が私の首に巻き付いた。



表情を変えない、目の前の少女。




「ノートドコォォォォォォォォ?!」




奇声と共に私の首を締め上げた。







「いやああああっ!」




悲鳴と共に私は勢いよく起き上がる。



呼吸が荒く、汗がハンパない。



部屋の中はすでに明るくなっていた。




「……夢……?」




締められていた首はもう苦しくない。




「なんだ、夢か……」




あまりにリアルすぎる夢を見てしまった。



せっかく、あの黒いノートから解放されたというのに。




ホッとため息をついて、ベッドから降りる。



部屋を出て、洗面所に入り、鏡を見た瞬間、凍り付いてしまった。






首には赤く、締められたような跡が残っていたからだ。

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