第50話

家に帰ってきてから、カバンを開けるのにかなり緊張をした。



あのノートが入っていたらどうしようかと。



カバンを開けるのに緊張をするなんて、人生において絶対にないことだと思う。



開けないですむのなら、そうしたいけれど、お弁当箱を洗わなければならないし。



私は意を決して、カバンのチャックを開けた。




「……よかったぁ……」




おそるおそる覗いて、私は安堵のため息をもらす。



中にはあの黒いノートの姿はなかった。



どこかに置いてくるといけないのかな?



誰かの手に渡れば、問題ないのかな?




まあ、何でもいっか!

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