第44話

ろう下から、断末魔の叫びのような声が聞こえてきた。



静かな図書室は、何事かと一気にざわつき始める。




「な、何?今の声……」



「さあ……?」




私の言葉に、反応のうすい河北さんの返事がきた。



何人かが図書室の外へと出ていく。



私も気になって、図書室から出た。




どこから聞こえてきたのかわからなかったけれど、声を聞いて走ってくる生徒や先生たちの流れに従って、私も走った。




階段には人だかりができていた。




「おいおい、マジかよ……」



「救急車呼んだらしいぜ」



「でもこれ、もう無理だろ……」




そんな会話が耳に入ってくる。



嫌な予感がして、私は人だかりをかきわけて、前に出た。




「……っ!」




そこには頭から血を流し、目が開ききったままの篤子が階段の下で倒れていたんだ……。

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