第45話

口を押えた手がカタカタと震えだしたのが自分でもわかった。




『校内は湿気ですべりやすい



だから、篤子は階段で足をすべらせて死んだ』




あのノートに書かれていた事は、当たってしまった。



どうして、こんな……。



私は図書室に戻りながらハッとする。




あのノートにはまだ続きが書かれていた。




『いい気味だ



次は誰かな?』





次は誰か……。



この奇妙なできごとはまだ続くっていうの……?!




私は慌てて図書室へと戻る。




いつもは静かな図書室も、今日だけはうるさくて、私が駆け込んできても特に問題はなかった。



カウンターで作業中だった河北さんが顔を上げる。




「どうかしたの?」



「ノートに書かれていた通りのことが……っ!」




私はそう答えて、カウンターの上に置いてあった黒いノートを手にした。




「……えっ?」




ページをめくって私は絶句した。




開いたページには、また新しい日記が書かれていたのだ……。

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