第43話

彼女がいなくなると、私はハーッと息をはく。



何かされるんじゃないかって、ビクビクしちゃった……。




「あ、ありがとう……」



「図書委員の仕事をしただけだから」




お礼を言うと、そっけない返事がくる。



それでも、私は嬉しかった。



アンケートの集計の手伝いをしようと、河北さんの手元の用紙を半分ほどとる。





その時、河北さんが口元に笑みを浮かべたのを私は見逃さなかった。




本当にそれは一瞬のことで、今はもう元の表情に戻っている。



美人なんだから、河北さんが普通に笑ったらかわいいと思うんだけどなー。





そんな風に思っていた時だった。






「ぎゃああああああああああっ!」

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