第36話
「ええ。日付は書かれているし、日記と呼んでも間違いないわ」
河北さんはそう言うと、私の隣に座った。
「日記は日記でも未来日記……とでも呼んだ方がいいのかしらね」
「未来……日記?」
「そう。だって、これが書かれたのって昨日の夜なんでしょう?」
「……うん」
「じゃあ、未来日記。未来を予告する日記」
命名したところで、この気味の悪さは変わらない。
それに、未来って響きはこの真っ黒いノートには似合わない気がする。
未来がない言葉が最後に並んでいるし。
「……それにしても、“またあいつらのいじめが始まった”ってどういうことかしら?」
河北さんの言葉に私も首をかしげる。
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