第31話

こんな事、きっと誰に言っても信じてはくれないだろう。



私自身、いまだに信じられないことばかりで、頭の中が整理できていないし。




「ううん、何でもない……」



「……教室にはもう行った?」




質問の前に間があった。



河北さんはきっと、私の机の惨劇を知っているのだろう。




「うん……」




力なくうなずく私。




「……そう」




みんなとは違って、河北さんはこうして普通に話してくれるから、励ましてくれるのかと思った。



だけど、そっけない返事をして彼女は図書室の奥のほうへと向かっていく。




彼女に何かを期待したのが間違いだった。

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