第28話

肩で息をしながら、私はダメもとで扉に手をかけた。



ギギギッ……。



不気味な音をたてて、扉が開く。



誰か先生が図書室にいるとか……?



今たてた音は、中にいる人物に確実に聞こえているはず。



先生だったなら見つかったら怒られる……。



そう思ったけれど、しばらく待っても、中の様子は何も変わらない。




私は中途半端にあいている扉に体をすべりこませて、図書室に入った。



そして、誰も来ないように扉を閉める。




「……ふう」




誰もいなくても、図書室の中はエアコンがついていて、じめじめとした空気が全くない。



私は息をついた後、カウンターへと駆け寄った。



そして、引き出しを勢いよく開ける。




「……っ!」




中を見て私は息を飲んだ。

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