第27話
昨日の放課後のやり取りを思い出して、私は唇をかんだ。
私はカバンを抱えたまま、教室を逃げるように飛び出す。
私のクラスから大きな笑い声がわきおこるのを背中で聞きながら、走った。
嫌がらせをされた事が悲しくて、こうしているわけじゃない。
今、確かめなければいけないことがあった。
丸めてゴミ箱にすてた真っ黒なノート。
図書室の引出しにあるかどうかをこの目で確かめたかった。
全く同じノートだけど、私のカバンに入っていた方にだけ文字が最初から書かれていたのなら納得できる。
ホラーでも何でもない、ただの嫌がらせだ。
あのノートは2冊あったのだと、冷静になればすぐにわかることだったのに。
4時間目を告げるチャイムが鳴り響く。
何も考えずに図書室まで来たけれど、普段、授業中は生徒の出入りがない教室にはすべてカギがかけられている。
だから、今だって図書室に入るには、カギを開けなければならないのだ。
だけど、授業が始まっているのに、図書室のカギを職員室にとりに行くことなど絶対に不可能。
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