第12話

黒くて長い髪。



青白い顔。




表情までは細かく見なかったけれど、口元は確かに笑っていたと思う……。



ゾクッ……



思い出したら、身震いしてしまった。





「……どうしたの?これ」



「え?」




カウンターに置かれた黒いノートに気が付いた河北さん。




「あ、それ、図鑑の本棚に入ってたの。誰かの忘れ物かと思って、持ってきたんだけど……」



「図鑑の本棚に?」




私の答えを聞いて、河北さんはノートに手を伸ばした。



裏表を見て、名前がないことを確認して、河北さんはノートを開く。



私も隣から覗き込んだ。

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