第10話

河北さんではなかった事に驚いて、思わずノートを落としてしまった私。



バサッと足元に落ちる真っ黒なノート。



いけない……そう思いながら屈みこんで拾い上げる。



だけど、ノートを再び手にしたときには、女子生徒の姿はどこにもなかった。



別の本棚に移動したのかと思ったけれど、人の気配はない。



本棚も各段、上の部分が少しあいているので、奥までよく向こう側までよく見える。



それでも、さっきの女子生徒の姿はなかった。




……見間違い?



それにしては、リアルすぎる。



でも、この学校の怪談話とか聞いたことないし……。




ゴクリとつばを飲むと、私はノートをかかえて河北さんのいるカウンターへ戻ることにした。

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