第8話

図書委員だからって、ここにあるすべての本を把握しているわけじゃない。



見慣れないというのは、図書室の本は背表紙にすべて番号が書かれたシールが貼られている。



だけど、この本には貼られていなかったんだ。



誰かが間違って、一般の本をここに入れたとか?



それにしては不自然すぎる。



なぜなら、この本棚には分厚い図鑑ばかりがおさめられているからだ。



誰かが間違えてここに戻すには、かなり不自然だということ。



それならば、意図的にここに入れたと考えたほうが自然だと思う。



私は薄い本に手を伸ばすと、指を背表紙の上部にひっかけて、取り出した。

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