第6話

思った通り、図書委員の仕事量はそこまで多くなかった。



図書室の当番も1週間ごとに変わるから、1度やったらしばらくは回ってこない。




「……」




気まずいと思っているのは私だけ?



シーンと静まり返った図書室に、無言で並んで座っている河北さんと私。



どこか重くて暗い空気に、飲み込まれてしまうような感覚になる。




「か、河北さん。何を読んでるの?」




読書に没頭している河北さんに思い切って話しかけてみた。



すると彼女は顔を上げて私のほうをチラッと見たかと思うと、また本に視線を戻す。



ああ、シカトされちゃったか、やっぱり……。



そう思っていたら、河北さんはもう一度顔を上げた。




「……推理小説」




ただ一言、そう口にした。

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