第4話

夕夏の言った通り、放課後の図書室には誰の姿もなく、河北さんがカウンターで黙って本を読んでいるだけだった。



私に気が付いて顔を上げると、何も言わずに首を横に振る。



そして、また本に視線を戻した。



よかった、怒っていないみたい……。



私はホッと息をつくと、河北さんのとなりに腰を下ろした。




河北さんは、普段からほとんどしゃべる事はない。



どんなに話しかけても、スルーされるから今じゃもう、誰も声をかけていない。



実は、河北さんも、私と同じタイミングでこの学校に転校してきた。



私に声をかけたのと同じように、夕夏は彼女にも明るく声をかけたみたいだった。



だけど河北さんは、夕夏の厚意に応えることはなかったようだ。

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