第74話

いいなあ――――。



幼馴染から始まった恋。


友達から、恋人に変わっていった二人。



とても勇気がいることだと思うのに、頑張って両想いになれただなんて、亜子さんをただただ尊敬する。



わたしは、とてもそんな勇気が持てないよ。


例え、冴島がこれからフリーになったとしても、告白とかできる気がしない。



お父さんとお母さん。



それなりに仲が良かったし、私を介して手を繋いだり微笑み合ったりしたこともあった。


今幸せそうにしている隣の二人みたいに。



でも、いつからか三人で出かける回数が少なくなって、お父さんの帰りが遅くなり始めた。



わたしがある程度大きくなったら、お母さんも働くようになって、夜に帰らないことも多くなった。



亜子さんの言う通り、男と女はいつ終わりが来るか分からない。



どっちが幸せなんだろう?



永遠じゃないかも知れない愛か、永遠に続くかもしれない友情か。

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