第73話
かまくらを一歩出たら薄暗いけど、寝る前よりかは周りを見渡せた。
濃い藍色の世界が海の中にいるような錯覚をおこす。
わたしたちの他に昨日のメンバーがチラホラといたけど、
「こっちこっち、どうせなら綺麗なところで見よう?」
「…あ、はい」
その中に冴島を探したけどいなかった。
「ここの防風林を抜けたら牧草地だから、丘から綺麗に太陽があがってくるよ。」
連れられてきた場所は、昨日最後に泣いてしまった場所を通り過ぎて、防風林って言われるの木々を抜けていった。
夜明け前の青色に包まれながらその時が来るのを待つ。
段々と空が白けてきて、雲が見えてきた。
「今年は雲が少ないそうだね、ラッキーだよ!果歩ちゃん」
そうやってはしゃぐ亜子さんが可愛かった。
「おお、今年は丘から綺麗に上がるかもな」
そんな亜子さんの隣には笑顔の利川さんがいて、亜子さんも嬉しそうにしていた。
昨日は文句たらたらだったけど、寄り添う姿は幸せそうだった。
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