第70話

「幼馴染だったんですか?」


「うん。ここからちょっと離れたところでお互いにね生まれ育ったの。夫の転勤でここに来たんだけどね」


「そうでしたか・・・」



積極的に自分の気持ちを伝えられる人って羨ましい。


拒絶されたり、断られたりしたらどうしようとか思わないんだろうか?



「気持ち伝えるって怖くないですか?」


「・・・ううん、怖くなかった。同じ風に何年も想いを伝えている幼馴染が居たから」


「亜子さんみたいにですか?」


「うん、そうよ。その子はね、なんと15才も年上の彼に惚れ込んでね、あしらわれながらついには一昨年に結婚式を挙げたの」


「ええ!!凄いですね、それ」


「うん、一直線に人を愛してる友達の存在があったから、私もめげずに頑張れたんだよ」



友達の存在って凄いな。


わたしは、正直そういう友達が一人もいない。


わたしにもそういう存在がいたら、何か変わっていたんだろうか?

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