第46話

会場の案内図が描かれた大きな看板を見上げる。



スキーが出来るゲレンデでは、チューブソリが体験できるみたいだし、雪や氷で作られたスタンプ迷路があったり、ステージではお笑い芸人やT〇kT〇kで有名なダンスグループによるナイトショーなんかもあって楽しそうだ。



会場のオブジェもライトアップされて、決まった時間にはそれらが有名なデザイナーが作ったプロマッピングが披露されるみたいだし、少し離れたところには大スクリーンの映画鑑賞まで出来るみたいだ。






きょうの寝床?が決まった私たちはたっぷりと時間がある。



せっかく連れてきてくれたんだし、ママが貯めてくれたお金だし・・・。



お土産話が沢山出来るように思いっきり遊ぼう。


きっとママは私が喜ぶと思ってしてくれたんだろうし。


ってか、その通りですけどね・・・。



よく考えたらさ、彼女もちのこいつとこうやって一夜を共にする(?)経験なんてそうそうないだろうし。


そうそうっていうか、多分一生ないし。



こいつとどんな形でも朝日を共に出来るなんて、ある意味幸せすぎる案件かも。



ちょろいな、わたし。


べた惚れじゃん、こいつに。



「チューブソリ行こうぜ!競争な!負けねえから」


「私の方が有利だよ、だって軽いもん」



小学生みたいに張り合っては色んなことに勝負しながら遊んだ。



学校でぼっちになってしまった私たちは、普段そとでこんなに笑ったことがあったかな?



思い出せないくらい久々な気がする。



こんな広い空のもと



わたしたちは小さな子供みたいにはしゃいでいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る