第45話

「私だけホテルに泊まるのはだめかな?」


「多分空きがないよ。以外にこのイベント有名だし、ここらへん全部埋まってるか、バカ高い料金だとおもう」



こいつの言葉が信じがたく、スマホで検索かけたけど見事に満室だらけだった。




「う~~~~、でもさ、これで本当に大丈夫なの?事故にならないの?氷点下25度まで下がるんでしょ?」



会場内の電光掲示板はさっきから今日の最低予想気温とその到達するであろう時間予想をお知らせしている。


例年に比べたら温かい方なんだそうだ・・・・。



でもさ、-25°って・・・


一般家庭の冷凍庫より寒いってことでしょう?


・・・・・・・・・・・不安しかない。



「大丈夫だって。今着てるこれの中にレンタルの防寒ツナギ着るし、ストーブもあって、外で焚火もあるしバーベキューもできるしさ。それでも寒かったら暖房が効いたビニール温室もあるから。実験っていってもさ、数時間に一回決まった場所に行ってハンコもらえればOKだし、最悪リタイヤになってもロッジに泊まれるし」



「————そこまでいわれると、大丈夫な気がしてきた」


「だろ?ほら、はやく、遊びに行こうぜ!」


「———うん!」



楽しそうな顔につられてこっちもウキウキして来た。


どうせ帰るって選択肢はないんだし、こうなったら楽しでおこう。

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