第36話

なんで?名前呼び?



今まで名字か、”ねえ?”とか”あのさ”とか”ちょっと?”とかだったのに。


その心境の変化はなに?


って思うだけで聞けないチキンな私。



結局謎のまま、自ら話題をふった。



「ねえ、次の目的地は札幌だって分かったけどさ、どこで雪バフンするの?」



こんな事が一番に聞きたいことじゃないけど…それくらいしか思いつかない私の脳みそ。


だって、冴島から貰えたヒントはこれしかない。


雪バフンの為にここに来たのかな?




普通の人なら、そんな事だけの為に北海道までくることはないけど…。


こいつの行動が読めない分、そんなこともあり得る気がした。



でも、どうやらこの町中では無理みたいだ。



バスに乗る前、道路端に溜まってた雪があったからちょんちょんしてみたら硬かった。


もはや雪じゃなくて氷だった。


氷のように透き通ってる訳じゃないけど、かき氷があの形のままガチガチになってる感じ。


とても、バフンできそうにない。



道路の端には歩道が見えないくらい積んであるけど、汚い色してるしやっぱり硬そう。



「札幌駅からJRに乗ってあるところに行くから。——まあ、そこで味噌ラーメンでも食ってよ、準備しようぜ」

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