第30話

家に帰ってから冴島からメッセージがきていたことに気がついた。



『いつものところに来て。話したいことある』



お昼休み中に届いたらしいメッセージ。


当然スマホを持たずにサボっていた私は、お呼びがかかってるなんて知りもしなかった。


話したいことってなんだろう?



気になったけど、あんなことがあったばっかだし、いま聞くことなんてできない。


だからそのままにすることにした。



よっぽど大事な話なら、またフニャ顔しながらみかん訪問してくるだろうって思ってた私は甘かった。






怒って帰って行った冴島はあれから音沙汰もないし、目の前に現れることもなかった。



たまに見かけるけど、すれ違うこともなけりゃ目も合うことすらない。



え、もしかして避けられてる?


まだ、怒ってるの?


まじでか・・・・



そうなってくると段々と寂しくなっていく私は、冴島のことを悪く言う資格がないくらい自分勝手だと思いはじめて、キツくあたったことを後悔し始めていた。


自分から突き放しといて何考えてんだろう。




嫉妬うんぬんの前に、まわりからの視線が気になってたところに、河内谷くんに言われて孤立してる自分を客観的に見たとき



とっさにアイツのせいだと決めつけて怒りをぶつけてしまった。



―――――私だって十分にろくでもない人間だよ。

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