第27話

それから、授業中に帰る勇気がない私の為(?)に放課後まで一緒に居てくれた。



河内谷君は友達と約束があるみたいで、玄関先でバイバイする。



何となく、罪悪感からマットで靴底についているだろう汚れを落としてると、後ろから声をかけられた。




「どこ行ってたの?———サボり?」



そこにはとっくに帰っていると思っていた冴島が居た。


”あんたに興味ないスイッチ”を押して、靴の汚れを落としながら話しかける



「うん。まだ帰ってなかったの?」


「なんでサボってんの?」


「話がかみ合ってない」


「ああ、だから答えてよ。誰とどこに行ってたのさ」


「———そんなの、あんたに関係ないよ」



なんで彼女でもないのに、いちいち報告しなきゃいけないんだ。



教室に荷物取りに行こうとしたら、反射的に動いた冴島が私の手首を掴んだ。


「な、なに?」


「おれ、今日飯食ってないんだけど」


「・・・だからどうしたのさ。帰って食べればいいじゃん」



言いながらブンブン腕を振るけど、ほどけない。


ってか、力が強すぎる。

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