第27話
それから、授業中に帰る勇気がない私の為(?)に放課後まで一緒に居てくれた。
河内谷君は友達と約束があるみたいで、玄関先でバイバイする。
何となく、罪悪感からマットで靴底についているだろう汚れを落としてると、後ろから声をかけられた。
「どこ行ってたの?———サボり?」
そこにはとっくに帰っていると思っていた冴島が居た。
”あんたに興味ないスイッチ”を押して、靴の汚れを落としながら話しかける
「うん。まだ帰ってなかったの?」
「なんでサボってんの?」
「話がかみ合ってない」
「ああ、だから答えてよ。誰とどこに行ってたのさ」
「———そんなの、あんたに関係ないよ」
なんで彼女でもないのに、いちいち報告しなきゃいけないんだ。
教室に荷物取りに行こうとしたら、反射的に動いた冴島が私の手首を掴んだ。
「な、なに?」
「おれ、今日飯食ってないんだけど」
「・・・だからどうしたのさ。帰って食べればいいじゃん」
言いながらブンブン腕を振るけど、ほどけない。
ってか、力が強すぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます