第26話

「やめとけば?」


「何を?」


「冴島。あいつぜってー束縛キツそうじゃない?」


「そんなこと、ないと思うけど」


「ああやって孤立しちゃうって事は、やっぱり性格的にどこか欠点ちゅーか、理由があるからじゃないの?」


「冴島がそうなったのは、男子からの嫉妬だよ。あいつは悪くないから」


「ああ、ほら、やっぱ好きじゃん。一生懸命に庇っちゃって」



なに?

試したの?

なんか、いちいちムカつくな。



「何がしたいの?あいつを完全に孤立させたいとか?」


「ううん、救いたいの」


「誰を?」


「阿部さんを」


「わたし?」


「うん。だってさ、このままでいいの?高校生活は二度ないんだよ?あいつのこと好きかも知れないけど、希望なさそうなやつの為に他の楽しい事全部捨てちゃうの?」



そう言われると、心が折れそうになる。


色んな物を犠牲にしてまで―――とは、常日頃思っていることだった。


「べつに捨ててるわけじゃないよ―――」


「へぇ、そう」


「……………………」


グイグイくる感じと、こうやって歯切れよく切り捨てられる感じ。


使い分けているみたい。


現に私は何も言えなくなった。

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